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古くは平城京の東六坊大路として、昭和には奈良県初のアーケード街として栄え、奈良の「まんなか」といえる商店街での、チャレンジショップを軸とした商店街を活性化させる施設の計画案です。
象徴的な三角形屋根のアーケードが目印となり戻ってこられる安心感のある「まんなか」と、個性豊かな「ろじ」が組み合わさることがエリア全体の回遊性につながると考え、「ろじ」を介した賑わいで結び、交流と挑戦の連鎖から商店街の発展につなげる建築を提案しました。
二層のボリュームをずらすことで、上下にふたつの「ろじ」をつくり、すべてのテナントが「ろじ」に面することで施設の賑わいを生み、室内面積を増やさないことでコスト的合理性を持たせます。
アーケードに呼応した「さんかくやね」を商店街に直交させ、特徴的なアーケードの存在を再発見し、アーケードが拡張したような印象を与えます。 二階の「ろじ」沿いからは平入りの整然とした軒先がならび、奈良町屋が並んでいる情景を想起させます。シンプルな構成ながら、商店街の人々がずっと見てきた街の風景と響き合う、象徴的な表構えを持った建築を目指しました。
九尺の正方形グリッドによるシンプルな平面計画で、規格材を無駄なく使え、コストを圧縮可能な平面計画としました。燃えしろ設計により、外部への柱の露出を可能とし、奈良町屋や寺院の構造体を感じさせる力強い列柱と架構が施設の特徴を作ります。
Site : 奈良県
Year : 2025
Total floor area : 200㎡
Design partner : 大須賀嵩幸、営繕社