serendipity POT
某コンペの提案作品。
「Serendipity」とは偶然の産物を意味する言葉、Serendipity POTは、あえて外部に情報を出さないことで、予期せぬ商品や体験との出会いを生み出すポップアップストアです。
前情報が無いからこそ、これまでの興味や関心を超えた新鮮な驚きが生まれ、記憶に残る特別な体験を創りだします。
入口には、「DRINK」や「CRAFT」などの大きなカテゴリー名だけが掲示されており、具体的な内容は一切わかりません。訪れる人は、何が待っているのかという期待と少しの緊張感を抱えながら、細い入口へ足を踏み入れます。
内部は半透明の壁による明るい印象と、囲われた落ち着き感が同居しており、ひとつの商品にフォーカスしたポップアップが行われます。飲料メーカーの新作ドリンクの紹介や、工芸作家の器の展示、新作家電の体験など、さまざまな形が可能です。
フロストのアクリルを使用した半透明の外皮に、1m毎にスチールのフレームがまわる、シンプルで存在感のある構成です。角をアールにすることでやわらかい印象をもたせ、内部の光がほのかににじみ出ることで、行灯のような存在感で道ゆく人の目に留まります。
グリッドに則り、フレームを連結していく単純な設置方法とすることで、少ない人数で簡単に組み立てが可能です。同じ形の反復で構成されるフレームは、解体後重ねることができるため、保管や運搬も用意です。
偶然出会った人々の体験がSNSなどで拡散されることで、次第にPOT自体がアイコン化し、その価値が高まっていきます。偶然性を大切にしつつ、アプリによる出没案内を通じて、コアなファンを育てていきます。未知の商品に出会うことができる仕掛けとして、駅やイベントスペース、ショッピングモールなどさまざまな場所での実施が可能です。
Site : 東京都
Year : 2024